【第44回】相手方の準備書面(1)(1/2)

はじめに

先日、第2回口頭弁論期日を迎えました。

私の訴状に対して、相手方の認否・主張を記載した書面(準備書面)が当日まで届かなかったため、どうなることやら、と思っていましたが、第2回期日の審理開始直前に、担当書記官より手渡しされました。

準備書面、証拠説明書及び各証拠を受領し、受領した旨のサインをしました。

準備書面の記載内容(1/2)

準備書面(1)の記載内容は以下の通りです。

誤字・脱字と思われる箇所は、ハイライトします。また、一部割愛します。

まずは、請求の原因(紛争の要点)に対する認否についてです。

(2021年9月26日 相手方弁護士からの修正版をもとに修正)

準備書面(1)

第1 請求の原因(紛争の要点)に対する認否

1 「第1 敷金返還請求」について
(1)賃貸借契約(転貸借契約)の締結から明渡しに至るまで
概ね認める。

(2) 敷金返還債務を負う被告の特定について
ア 「主位的請求」について
原告と被告ら及び被告ら代理人における客観的なやり取りについては概ね認め、原告の請求については争う。
イ 「予備的請求」について
原告と被告らにおける客観なやり取り(甲8)については概ね認め、原告の請求については争う。

○○タワー○○号室(以下「本件物件」という)に関する、平成19年○月○日付賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」の貸主は、被告○○会社(以下「被告オーナー会社」という)であり、被告〇〇会社(以下「被告管理会社」という)は貸主から本件賃貸借契約の代理人として委託を受けて、賃借人との交渉窓口となっている。

また、本件物件の貸主借主は、実際に使用するのは原告であるが(甲1の1・貸主(丙))、社宅として利用するため訴外〇〇〇〇株式会社(以下「訴外○○〇〇」という)も共同で貸主借主となっている(甲1の1・貸主借主(乙))。

ウ 「経緯」について
原告と被告ら及び被告ら代理人における客観的なやり取りについては概ね認め、原告の請求については争う。

(3)「原状回復費用に対する当事者双方の主張」について
ア 特約に基づく原状回復費用の請求について

(ア)「特約による合意が成立していない点について1」について
被告ら代理人から原告に対し、賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(以下「本件説明書」という。乙4)において、原状回復義務に関する特約(以下「本件特約」という)の内容について説明した事実は認め、その余は否認ないし争う。

本件説明書は、賃借人である原告が説明を受けた上で、自身で署名したものである。原告はあたかも訴外〇〇のみが署名押印しており、原告はその存在を知らない旨の主張をするが、本件説明書に訴外〇〇として署名押印しているのは、共同の賃借人であり実際の利用者である原告自身であり、事実に反するものである。

(イ)「特約による合意が成立していない点について2」について
否認ないし争う。

(ウ)「特約の効力について」について
否認ないし争う。

イ 「善管注意義務違反について」について

原告と被告ら及び被告代理人との客観的なやり取りについては認め、その余は否認ないし争う。
被告らは、原告に対して、文書による善管注意義務違反に基づく損傷部位等を説明するにあたって、図面及び写真を添付して明示している(乙2及び3)。
損傷の程度及び部位についてはこれらを参照すれば明らかであり、原告の主張するような、「根拠が不明瞭」という事実はない。

(4)「4」について
争う。

2 「第2 内容証明郵便の送付に要した費用」について
賃貸借契約における敷金返還に関する貸主の一般的義務(甲1の1・第8条)及び原告が被告に対して4回の内容証明郵便を送付した事実は認め、内容証明郵便の費用については不知、その余は否認ないし争う。

敷金に関する被告らの対応に何ら落ち度はなく、そもそも原告の内容証明郵便の送付費用は賠償を要する損害とならない。

4 「第4」について
争う。