【第66回】不法行為に基づく損害賠償を請求する(1/3)

はじめに

今回、訴状に記載しているとおり、被告らに対して、不法行為に基づく損害賠償を請求しています。

その主張の整理・補強したものとして、第4準備書面を作成し、裁判所と被告ら代理人に送付しました。

その内容について3回に分けて記載します。第1回目です。

第4準備書面の内容

第4準備書面の内容は以下の通りです。

令和3年(少コ)第■■■号 敷金返還等請求事件
原告 Hayato
被告 オーナー会社 外1名

第4準備書面

令和4年■月■日
東京簡易裁判所 民事第■室■係 御中
原告 Hayato  印

第1 はじめに

 第3回期日にて原告からの準備書面の追加提出は留保することとなったが、第4回期日にてそれが解かれたため、「内容証明郵便の送付に要した費用」および「精神的損害」について、被告らの主張に対する原告の反論および主張の整理・補強を本書面にて行う。

第2 敷金返還をめぐるトラブルの当事者

1 被告らとその取引関係

訴訟提起時に裁判所に提出した登記簿謄本によると、被告オーナー会社は「■■住宅その他の■■建造物の取得、建設、譲渡又は管理経営」等の事業を行う法人で、被告管理会社は「土地、建物等の賃貸及び管理に関する業務」等の事業を行う法人であるから、被告らは賃貸管理業務に関する専門的かつ豊富な知識を有する法人である。それに対して、借主である原告は一消費者なのだから、両者間の情報の質・量および交渉力には格差がある。

 また、第3回期日にて、裁判所からの求釈明に対して、本件賃貸借契約の貸主および敷金返還義務者は被告オーナー会社であり、被告らの取引関係については、被告管理会社は被告オーナー会社から「本件賃貸借契約の代理人として委託を受けて本件賃貸借契約及び本件建物の管理業務を行っており、賃借人との交渉窓口として、原状回復工事の費用計算及び敷金の返還手続等を行っているに過ぎない」(被告ら準備書面(2))との釈明が被告らからなされた。

2 被告らから弁護士への委任

 令和3年1月29日に被告管理会社は原告へメールにて原状回復工事見積書(甲2の3)を送付し、それに対して同年2月2日に原告は被告管理会社へメール(甲11の2)にて「例外としての特約につきまして」「国土交通省のガイドラインや判例などから、特約が有効であるための要件を満たしていないと思いますので、負担しかねます。」と送付してから敷金返還をめぐる(法的紛議を含む)トラブル(以下「本件法的トラブル」)が生じることとなり、原告は、被告管理会社および被告オーナー会社と直接やり取りを行っていたが、その後、被告らはそれぞれ以下のタイミングで(本件訴訟の被告ら訴訟代理人でもある)■■弁護士に、本件法的トラブルの交渉等を委任することとなった。

 被告管理会社は、令和3年2月12日に原告へメール(甲11の5)にて、今後は■■弁護士に委任する旨送付した。
一方、被告オーナー会社については、「(同弁護士は)私どもの法律の顧問弁護士ではないんですよ、そこの事務所。私どもは別のところに法律顧問で委託をする先がありますんで。」「まだ現状は委任をするかたちにはなっていません。」(甲8の2)と同年3月1日に原告に電話で説明していたが、(原告からの同年3月7日付けの説明請求(甲3の5)を受領後、それについて同年3月8日に原告と電話でやり取りした後の)同年3月12日付けの書面(甲3の6)にて、原告に対して、(原告からの説明請求(甲3の5)を受けての回答として、)今後は同弁護士の法律事務所に委任する旨送付し、同弁護士からも令和3年3月18日付けの書面(甲3の8)にて原告へ「現在当職らが通知人オーナー会社の代理人である」との連絡があった。よって、被告オーナー会社も、本件法的トラブルについて、当初は弁護士に委任していなかったが、令和3年3月12日頃に■■弁護士へ委任することとなった。

 それに対して原告については、弁護士費用を差し引くと実質的な敷金返還額がほぼ無くなる可能性もあることから、弁護士に委任することなく、原告自ら、被告ら及び同弁護士と直接やり取りせざるを得なかったのであり、専門家に何度も相談しながら被告らとやり取りした。

第3 退去立ち会いについて

 退去立ち会いなしとなった経緯については、訴状および内容証明郵便(甲3の7)の「1.退去立ち会いなしとなった経緯について」に記載のとおりであり、合理的理由により双方合意のもと立ち会いなしとなり、被告管理会社にて「故意・過失による破損等、借主負担と思われる箇所はのちのちトラブルにならないように1月10日の状態確認時に写真を撮ってお」くことになった。なお、被告らは書面(甲3の8)にてこの経緯について「事実関係については貴殿(原告)のご指摘のとおり」と回答している。

(続く・・・)