【第9回】原状回復工事見積書の内訳

物件の明渡し日から3週間程度たった2021年1月29日(金)、管理会社からメールにて、

「解約清算にお時間がかかり申し訳ございませんでした。
標題につき送付致しますので、どうぞ宜しくお願い致します。」

「ご承認いただければ、2月5日にお振込み致します。」

と解約精算見積書が送付されてきました。

メールに原状回復工事見積書が添付されていたので確認したところ、その内容にびっくりしました。

どのような内容だったのでしょうか。

関連する箇所のみ抜粋します。

1.クロス張替

 

工事部位数量単位単価金額割合負担額
玄関・廊下13.510001350050%6750
洋室8.1帖3010003000050%15000
クローゼット壁・天井1710001700050%8500
洋室6.4帖29.510002950050%14750
リビング10.3帖3610003600050%18000
キッチン3.6帖12.510001250050%6250
洗面所6.51000650050%3250
トイレ71000700050%3500
15200050%76000


全居室、キッチン、玄関・廊下、洗面所、トイレのクロス張替について計76,000円を請求されています。

すべての明細の備考欄に、「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書による」と記載されています。

「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」については、また後ほど記載します。

では、フローリングについては、どうでしょう。

2.フローリング上貼り

工事部位数量単位単価金額割合負担額
玄関・廊下13450050%17250
洋室8.1帖19350050%46750
洋室6.4帖18750050%43750
リビング113000050%65000
キッチン1345000%0
計(キッチン除く)34550050%172750


こちらは、全居室、玄関・廊下の床上張りについて計172,750円を請求されています。

キッチンはなぜかこれだけが、借主負担割合が0%になっていました。また、洗面所、トイレのクッションフロアは「経年劣化」として請求されていません。

上貼りとは、元々あった床材をすべて撤去して新しく張り替えるのではなく、既存の床の上から重ね張りすることのようです。

なお、こちらもすべての明細の備考欄に、「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書による」と記載されています。

3.ルームクリーング

工事部位数量単位単価金額割合負担額
ルームクリーニング64.42100064420100%64420


ルームクリーニングとして、借主100%負担で、64,420円請求されています。

こちらは、備考欄が空白です。

4.その他

工事部位数量単位単価金額割合負担額
リビング網戸張替130003000100%3000
靴箱ダイノック張替128000100%28000
洋室ダイノック張替125000100%25000
56000100%56000


借主100%負担で、計56,000円請求されています。

こちらは、備考欄に「善管注意義務違反」との記載があります。



以上、クロス張替代(50%負担)76,000円 + フローリング上張代(50%負担)172,750円 + ルームクリーニング代(100%負担)64,420円 + その他(100%負担)56,000円 = 369,170円(税抜)で、消費税込みで、406,087円の請求でした。(泣)