【第12回】賃貸住宅防止条例に基づく説明書と特約について

管理会社は東京都の「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」に記載されている特約条項に基づき、借主である私に現状回復費用を請求しました。

退去物件の特約条項はこちら

そこで、「賃貸住宅紛争防止条例」(いわゆる「東京ルール」)とは何でしょうか。調べてみました。

条例について

東京都のHPでは、以下のように記載しています。(2021年5月30日時点)

この条例は、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するため、現状回復等に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。

※住宅の賃貸借に係る紛争の防止を図り、都民の住生活の安定向上に寄与することを目的としているようです。

条例の適用対象

  • 東京都内にある居住用の賃貸住宅(店舗・事務所等の事業用は対象外)
    ※都内の物件を扱う場合、都外の宅地建物取引業者にも説明を義務付けている
  • 平成16年10月1日以降の新規賃貸借契約(更新契約は対象外)
  • 宅地建物取引業者が媒介または代理を行う物件

説明する内容

  • 退去時における住宅の損耗等の復旧について(原状回復の基本的な考え方)
  • 住宅の使用及び収益に必要な修繕について(入居中の修繕の基本的な考え方)
  • 実際の契約における賃借人の負担内容について(特約の有無や内容など)
  • 入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先

 ※なお、住宅を借りようとする者が宅地建物取引業者である場合は、書面の交付のみで説明は不要

退去時における住宅の損耗等の復旧費用負担の一般原則

  1. 経年劣化及び通常の使用による住宅の損耗等の復旧については、賃貸人の費用負担で行い、賃借人はその費用を負担しないとされています。
  2. 賃借人の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など賃借人の責めに帰すべき事由による住宅の損耗等があれば、賃借人は、その復旧費用を負担するとされています。

例外としての特約

貸主と借主の合意により、原則とは異なる特約を定めることができます。これは、民法では「契約自由の原則」が基本とされているため、契約内容は、原則として当事者間で自由に決めることができることによります。

ただし、通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約は、内容によっては無効とされることがあります

借主に特別の負担を課す特約が認められるための要件

  1. 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
  2. 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
  3. 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

今の入居物件の特約内容(参考)

今入居している物件の、退去時における住宅の損耗の復旧についての特約内容を確認してみました。

本貸室の退去時における賃借人が負担する費用の例外(特約)としては、下記内容であります。

  1. 退去時の室内清掃費用は借主負担とする。
  2. 煙草の喫煙等により、カーペット・クロス・設備機器等のヤニ汚れ等、臭気等が付着した場合の修復・消毒費用。

2点目は文章に”等”だらけですね。(笑)

そういえば、今の物件ですが、「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」についての説明がなかったですね。。。