【第51回】第1準備書面を作成する(1)

はじめに

被告らから追加の準備書面が期限になっても送付されて来なかったこと、また、被告らの準備書面(1)に対して原告からの認否・反論を書面にて行うため、準備書面を作成し、送付することにしました。

その内容について記載します。

後日、第3回期日にて、裁判官から、「被告らの認否に対する原告の認否は不要です。あくまでも、被告らの主張に対して認否・主張してくださいね。」と指摘を受けました。

被告らの準備書面の全記載に対して何らかの認否を述べない場合は黙認したと判断されかねないと思い、準備書面には(なんとなく違和感を感じながらも)被告らの認否に対して私の認否を記載してしまいましたが、裁判官のご指摘の通りですね。

原告:XはAです。
被告:否認します。XはBです。
原告:否認します。XはAです。

きりがないですね。。。笑

第1準備書面の内容

第1準備書面の内容は以下の通りです。

令和3年(少コ)第■■■号 敷金返還等請求事件
原告 Hayato
被告 オーナー会社 外1名

第1準備書面

令和3年■月■日
東京簡易裁判所 民事第■室■係 御中
原告 Hayato  印

第1 はじめに

 第2回期日にて、被告らが期日当日に提出した準備書面(1)には誤字脱字が多く散見され、かつ記載内容が不十分であったことから、相当の期限を設けて、被告らによる準備書面(1)の出し直し及びそれとは別に追加書面の提出がなされることになっていた。
効率的な準備書面のやり取りとしては、上記の追加書面を受領後に、準備書面(1)及び追加書面に対する原告からの認否、反論を提出することが望ましいところ、被告らからいまだに追加書面(令和3年■月■日期限)が提出されない状況である。
そこで、迅速な裁判及び期日の空転を防ぐことを希望する原告としては、被告らの追加書面をこれ以上待つことなく、本書面にて、被告らの準備書面(1)中、「第1 請求の原因(紛争の要点)に対する認否」及び「第2 被告の主張」の「1 本件賃貸借契約について」に対する認否、反論を行い、その余に対する認否、反論は(被告らの追加書面に関わる箇所であるから)追って行うものとする。なお、本書面における略語については、本書面で定義するもののほかは、従前の例による。

第2 「第1 請求の原因(紛争の要点)に対する認否」に対する認否、反論

1 「第1 敷金返還請求」について
(1)賃貸借契約(転貸借契約)の締結から明渡しに至るまで
被告らは「認める。」とのことなので、認否、反論の対象はない。

(2) 敷金返還債務を負う被告の特定について
ア 「主位的請求」について
「原告の請求については争う。」とのことなので原告も争い、それ以外の点については「認め」るとのことなので、認否、反論の対象はない。
イ 「予備的請求」について
第1文については、「原告の請求については争う。」とのことなので原告も争い、それ以外の点については「認め」るとのことなので、認否、反論の対象はない。
第2文については、■■タワー■■号室(以下「本件物件」という。)に関して、平成19年■月■日付けで原告が交わした賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)について、契約締結時の貸主が被告オーナー会社であることは認めるが、解約時の貸主が被告オーナー会社であることは不知、また、被告管理会社は「貸主から本件賃貸借契約の代理人として委託を受けて、賃借人との交渉窓口となっている。」ことは不知。
第3文については、本件物件の借主は入居者である原告と訴外■■であり、本件賃貸借契約は原告と訴外■■の連名契約であることは認める。なお、「本件物件の借主は、実際に使用するのは原告であるが(甲1の1・貸主(丙))」と記載されているが、括弧内について正しくは「甲1の1・借主(丙)」と思われるため、被告らに訂正を求める。
ウ 「経緯」について
「原告の請求については争う。」とのことなので原告も争い、それ以外の点については「認め」るとのことなので、認否、反論の対象はない。
(3)「原状回復費用に対する当事者双方の主張」について
ア 特約に基づく原状回復費用の請求について
(ア)「特約による合意が成立していない点について1」について
第1文については、訴状に記載している通り、■■弁護士から原告に対し、書面(甲3の2、8)にて、賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(以下「本件説明書」という。)に記載の本件特約に基づいて原状回復費用を請求した旨の主張があったことは認める。しかしながら、被告らから原告に対し、原告が補修費を負担することになる通常損耗の具体的範囲等、本件特約の内容自体についての説明はない。
第2文及び第3文については、本件物件の契約に先立って、あるいは契約締結時に、原告が本件説明書の説明を受けたことは否認する。
なお、訴状においては、「説明書そのものも事前に見ていない」と述べたが、この点は原告の勘違いであり、正しくは、郵送されてきた貸室賃貸借契約書や本件説明書に対して、「この箇所に署名押印してください」という賃貸仲介業者からのしるしや付箋があったため、それに従って原告が署名をした。
ちなみに、原告本人が、原告自身の名前を一度記入し、訂正したうえで訴外■■の社名を記入したが、その記入はあくまでも、賃貸仲介業者が署名押印箇所について分かりやすく記した目印に沿って、当該箇所に署名をしただけであって、少なくとも、被告オーナー会社(又は賃貸仲介業者等)から本件説明書の内容について説明を受けたことはない。
なお、原告に、訴外■■の社印を押印する権限はないし、本件説明書に原告が押印もしていない。
なお、「第5 原告の主張」にて反論、主張を行う。
(イ)「特約による合意が成立していない点について2」について
争う。なお、「第5 原告の主張」にて主張を追加する。
(ウ)「特約の効力について」について
争う。
イ 「善管注意義務違反について」について
被告らが原告に対して図面及び写真を送付したことは認めるが、その余は否認ないし争う。
被告らは乙2の写真を原告に送付したと主張するが、網戸の写真は実際に原告に送付した写真とは異なるものである。
また、被告らが乙2の図面上に記載した番号に誤りがある、乙3にはどの部位の写真なのかの記載すらない、さらに、第2回期日における下記(ア)から(ウ)のやり取りからすると、被告らの「損傷の程度及び部位についてはこれら(図面及び写真)を参照すれば明らか」(括弧内は原告にて記載)との主張は誤りと言える。
(ア) 乙2及び3の写真を用いて、被告ら代理人から損傷個所の説明があったが、損傷個所を明確に説明できない写真が複数存在した。特に乙2の⑥浴室の下写真及び⑧洋室8.1帖の下写真については、損傷個所を明確に説明できなかったため、被告ら代理人自らが損傷個所について持ち帰り確認するとの発言をした。
(イ) 被告ら代理人は、写真による損傷状況の把握が難しい部位について、必要に応じて損傷状況を把握できる写真を追加するよう、裁判官から指摘を受けた。
(ウ) 乙3の最終頁のクローゼット写真については、被告ら代理人自らが、損傷個所が不明瞭であるため損傷個所を把握できる写真を別途提出する、との発言をした。

(4)「4」について
争う。

第2回に続く。。