【第77回】相手方の準備書面(3)第6回

はじめに

期限から2週間経過後、ようやく被告らから追加の準備書面と証拠書類が送付されてきましたので、その内容について記載します。第6回です。

※この準備書面における主張および証拠は、最終期日にて、時機に遅れた攻撃防御方法として却下されました。

準備書面(3)の記載内容

準備書面(3)の記載内容は以下の通りです。長文ですので、複数回にわたって記載します。

(・・・続き・・・)

⑨ リビング 網戸張替(乙6・35番)
写真から明らかなとおり、2つ設置されていた網戸のうち、1つは網と枠のつなぎ目部分が乖離しており、網戸としての機能をほとんど失った状態である。もう1つについては、網の大部分が枠から乖離しており破損が大きく、使用することは不可能である。これらの損傷は、13年という使用期間をふまえても都内のマンション(外側にはベランダもある状態)で通常生じるものではなく、意図的又は過失により網の部分に荷重される等しないと生じないものである。
なお、写真のとおり網戸のひとつは大破しており、通常であれば修理が必要であるところ、本件賃貸借契約において、「乙及び丙(賃借人)は、本物件を使用中に修理の必要が生じた場合は、甲(賃貸人)に申し出なければならない」とされ(本件賃貸借契約第8条の1項)、これにより「甲(賃貸人)は修理を行うものとする」(同条2項)とされているものの、被告から修理の申し出等は何らなされていない。原告は機能しない網戸について、被告らに申し出ることもなく、また自ら修理もせずに放置していたのであって、その破損は原告が意図的に生じたさせたことを窺わせるものである。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかであり、さらに、網戸の1個については特にその破損状況が著しい。

⑩ 玄関・廊下 床上張り 材工共(乙6・3番乃至6番)
写真から明らかなとおり、フローリング上にスレや擦り傷とは異なる抉れた損傷が多数見られる。このような損傷は日常生活で生じるものではなく、意図的に鋭利な器具を用いたか、重量のある鋭利な物を落下させる等しなければ生じない。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかである。

⑪ リビング 床上張り 材工共(乙6・26番乃至30番)
写真から明らかとおり、床上の材工共の角が割れて塗装が剥げ、その上のクロスまで裂けている状態である。このような損傷は通常の使用で生じるものではなく、強固な物体を再三にわたりぶつける等の衝撃を与える等しないと生じないものである。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかである。

⑫ 洋室8.1帖 床上張り材工共(乙6・14番)
写真から明らかなとおり、クローリング上にスレや傷とは異なる板が割られたような損傷が見られる。このような損傷は日常生活で生じるものではなく、意図的に鋭利な器具を用いて剥がそうとしたか、重量のある大型の物を落下させる等しなければ生じない。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかである。

⑬ 洋室6.4帖 床上張り材工共(乙6・36番乃至39番)
写真から明らかなとおり、フローリング上にスレや傷とは異なる板が割れれたような損傷や抉れた損傷が多数見られる。このような損傷は日常生活で生じるものではなく、意図的に鋭利な器具を用いて突く、引っ掻く、剥がす等し、又は重量のある物を再三落下させる等しなければ生じない。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかである。

⑭ 玄関 靴箱ダイノック張替(乙6・47番、48番)
写真から明らかなとおり、無断で靴箱に取手及び鏡が設置されている。これらは意図的に設置されたものであり、強力な粘着テープと思われる物質で固定されているため、取り剥がしが困難である。
以上から、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかであり、無断で取り付けられた物品を撤去するために張替作業が必要となるため、特にその破損状況が著しい。

⑮ 洋室8.1帖 入口枠 ダイノック張替 材工共(5番)
写真から明らかなとおり、靴箱の外側にスレや傷とは異なる大きな凹みが認められる。このような損傷は日常生活で生じるものではなく、意図的に鈍器で叩いたか、重量のある物体を再三にわたり打ち付ける等しなければ生じない。
以上から、当該項目の汚損ないし破損については、賃借人(原告ら)の責めに帰すべき事由によって生じたものであることは明らかであり、特にその破損状況が著しい。

⑯ ルームクリーニング
この点については、本件特約アに基づき、自然損耗を含めてハウスクリーニングの費用を賃借人負担とするとされていることから、全額6万4420円)の負担としている。

(続く、、、)