【第57回】第4回口頭弁論期日

はじめに

先日、敷金返還等請求の原告として、第4回口頭弁論期日を迎えました。

特約の有効性に関する被告ら主張の書面は、提出期限に間に合わなかっただけでなく、当日になっても出てきませんでしたが、どうなるのでしょうか。

今回の審理時間は、15分程度だったかと思います。

メモと記憶を頼りに、記載したいと思います。

被告らの書面が提示されない件

被告ら代理人弁護士は、以下のような釈明をしていました。

「準備書面については、準備に時間がかかって遅れてしまった。

追加の写真の提出も含めて提出しますので、来週の■月■日の月曜日までとしたい。」

その後の、裁判官と被告ら弁護士は以下のようなやり取りをしておりました。

裁判官:遅れたことに合理的な理由はありますか。
弁護士:準備に時間がかかりました。

裁判官:遅れることを裁判所に連絡しなかったのはなぜですか。

弁護士:失念していました。

裁判官:調書に記載しておきますね。
遅れた理由は準備に時間がかかった、遅れることを裁判所に連絡しなかった理由は・・・。

特約の有効性について

その後、特約の有効性について、裁判官から以下のような説明を受けました。

本件特約は一義的に明白でないこと、また、本件特約による合意が成立しているかも明白ではないという理由から、

本件特約は無効として進める。

現時点での裁判所の判定では、本件特約は無効とのことでした。

原告が負担すべき原状回復費用について

そして、裁判官から書記官を通して、

「裁判所が相当と認める原告(賃借人)が負担すべき原状回復費用」に関して記載された紙を渡されました。

この紙に記載された内容については、別のブログで記載したいと思いますが、

裁判官から以下のような説明を受けました。

特約は無効であるから、原告が負担すべき金額は0円になる。

ただし、

ルームクリーニングについては、早期解決を目指して、

被告らのやり取りが遅れたこともあり原告が請求している慰謝料が認められた余地もあるからその分も差し引いたうえで、

クリーニング代の3分の1である2万円を原告が負担することを、裁判所の和解案として提示します。

裁判官は続けて、私に対して以下のような説明をしました。
私も敷金返還請求事件を多く扱ってきたが、ルームクリーニング代については、

普通に使っていれば汚れは付くものだから、賃借人の負担は0にはならず、ある程度の負担はある。

部屋を全く使っていなかったとか、居住期間も短くよほど神経質に使っていたなどでなければ、賃借人の負担は0にはならないので、この和解案を十分に吟味してください。

宿題について

被告らの主張立証については、1ヶ月後の■月■日期限に、次回期日は■月■日になりました。

また、裁判所の和解案の諾否(承諾するか否か)についてもこの期限までに回答することとなりました。

裁判官は今度は期限を守ってください、と被告ら代理人に念押ししておりました。

また、以下のようなやり取りをしました。

裁判官:次回終結としたい。

弁護士:次回結審と思っていなかったので、証人尋問などを確認・検討する。

裁判官:それでは、人証申請も含めて■月■日期限とします。
人証申請が認められるか分かりませんが、認められれば、証人尋問は次回期日でなく、また次の期日になります。
原則は次回で終結です。

原告も、裁判所の和解案の諾否と、人証申請について、■月■日期限で回答してください。

Hayato:今、回答してもいいですか。

裁判官:どうぞ。

Hayato:この和解案を受け入れます。原告としては人証申請はありません。

裁判官:分かりました。

その後、裁判官は、原告の準備書面にも期限を設定するかを司法委員に聞いておりましたが、要らないでしょう、ってことで、

原告側の提出期限の設定は不要になりました。

ということで、次回終結予定とのことですが、果たしてどうなることやら。。。

人証申請書とは、、、

証人尋問したい人、証人尋問に必要な時間、立証の趣旨(この証人によって立証しようとしていること)、尋問事項(この証人に対して質問すること)などを記載して、裁判所に提出して申請する書面のようです。